クッパpresents 『我が青春~俺が愛し、愛された3DO~』 最終話

第4話はこちらから

【終章】おじいちゃんとの思い出

 

~前回のあらすじ~

レースと言う名の運ゲーだった。

 

運ゲー過ぎるレースパートの制覇を諦め、俺はアドベンチャーパートへと移行していた。
このゲームの目的は「10人に分裂したブラック魔王が10の世界に飛び散ったので全部捕まえに行こう。」と言う事らしい。

そんな超展開の説明、一切無かったじゃないか、何なんだよもう。

自分の愛機となるオリジナルマシン「Tボーンレックス」に乗り込み、相棒のケムンパスみたいな何か(CV:野沢那智)と一緒に、ブラック魔王を捕まえる旅へと出発だー!!
ドライビングカードを差し込み…いざ!!

すると、水晶の魔女とか言うのが現れ、何か話し始めた。

魔女「ふぇっふぇっふぇ…ブラック魔王を捕まえるのかい?あいつら何か悪だくみをしてるようだねぇ…そうだねぇ、この水晶で見せてあげよう。」

魔女はえらくゆっくり喋るので、とにかく長い。この間だけで軽く3分以上は待たされてる気がする。
そして魔女が見せてくれた水晶で、ブラック魔王がどんな悪さをしてるのかが分かる仕組み。

なるほど、これで何をするか見て、必要な事を推理して、先回りして捕まえるんだな!!なるほど!!しかしムービー長ぇなオイ!!

魔女の長い長いお話も終わり、マジカルランドへ到着。

何やら魔王は工場で悪いことをしようとしてるのが、水晶の映像でわかったので工場へ行こう。
しかし移動コマンドが無いので、とりあえず町に居るチキチキマシンの連中に話しかける以外は出来ない。

…コマンド総当たり式かよ………。

 

適当に話しまくった結果、何とか工場に来ました。
工場に入るとブラック魔王とケンケンが居ました。こいつを捕まえれば感動のエンディングだ!!お縄につけ!!

 

すると何故かブラック魔王が3人に分身しました。

魔王「本物がどれか当ててみな!!」

 

えっ?また運ゲーなの???

 

運ゲーを越えた先に待っていたのは、また運ゲーだった。
しかし今回は1/3。確率的には約33%。18%を越えた俺にとっては造作もない事だった。

真ん中のお前!!お前が本物だ!!

魔王「ハズレだよ。ケンケン、つまみだせ。」
工場の外へとつまみだされた。

なるほど、当てるまで先に進めないんだな。しかし1/3。これは苦労しなさそうだ。
もう1度工場に突撃し、魔王と対峙。本物は右!!お前が本物だ!!

魔王「ハズレだよ。ケンケン、こいつをこの世界からつまみだせ!」
ドライビングカードの選択画面に戻された。

何だよ世界からつまみだすって!!2回しかチャンスないのかよ!!
3個のくじから当たりを引くのを2回ミスったらゲームオーバーかよ!!しかもくじは戻すパチンコ形式!!
何だよ!!これならレースパートの方が100倍はマシじゃねぇかよ!!!!

 

もちろんもう1度ドライビングカードを使って旅立つと、魔女のありがたい説明から始まります。

スキップ機能?そんな便利なモノは(略)

 

~数時間後~

 

1/3ってこんなに辛かったっけ…。

数時間掛けて、やっとの思いでブラック魔王を捕まえたが、10人に分裂してたのを思い出して絶望していたのは言うまでも無い。

あと…9回もこんなのを続けるのか……。
地獄………これを地獄と言わずして、何を地獄と言うんだ…………!!

狂ってる!!これを作ったやつは狂ってる!!

 

調べたところ、このゲームを作ったのは、ハイパーメディアクリエイターとして名高い高城剛氏の作品だそうだ。
高城剛氏と言えば沢尻エリカの元夫で超有名なクリエイターだ。
俺は高城氏の作品はこのチキチキマシン以外は知らないが。

なお、賢明な読者の皆はもう気付いてると思うが、残るドライビングカードの世界も、ほとんどが運ゲーだ。
1番のロックランドの世界なんて一番酷く、何かを選択する余地も無く、20%で何もしてないのにゲームオーバーと言う畜生ステージとなっている。
本当にこのゲームを作った人は、このゲームで人々を笑顔に出来るとでも思っていたのだろうか。
思っていたのなら、それは独裁者のする事だと思う。

 

しかし、この時俺の心境に変化が起こっていた。

何故か学校から帰ると3DOを起動し、このチキチキマシンの運ゲーへと立ち向かう日々を毎日続けていたのだった。

そう………段々とこの苦痛が楽しくなってきていた。

最新ゲーム機で遊ぶ、このくだらないマインドシーカーが楽しくなってしまったのだ。
何故かはわからない。わからないが、楽しい。この一言しかその時は無かった。

今思えば、軽い洗脳状態だったのかも知れない。

 

~そこから数ヵ月、プレイ時間にして、数十時間の時が流れた~

 

遂にクリアした…本当に長かった闘いがこれで終わったんだ……!!
達成感………!!これだ!!俺が欲しかったのはこれなんだ!!
鬼畜なモノに立ち向かい、それを討伐した達成感と、成し遂げた自分に対する充実感!!これだ!!これこそがゲームなんだ!!

 

俺は3DOに出会い、大事な事を学んだ。

何事にも終わりはある。忍耐と気合で、全ての物事は自分で解決する事が出来るんだと言う事を学んだんだ。
あと、大抵のクソゲーに出会っても「チキチキマシンより遊べるから面白いじゃん。」なんて言ってしまう寛容な心まで手に入れてしまった。なんてこった。

 

俺はこの3DOに出会って本当によかったと思ってる。

俺はこいつのおかげで、今となっては立派なクソゲーマーとして活動してるし、社会のクソゲーにも立ち向かえている。
チキチキマシンが無ければ、今の俺は無かっただろう。3DOには感謝しているし、俺は心の底から愛している。
チキチキマシンを用意してくれた3DOも俺の事を愛していたに違いない。

そしてこれを買ってくれたおじいちゃんには、感謝の気持ちでいっぱいだ。おじいちゃんとの思い出として、3DOは今でも俺の心では現役ハードだ。

 

実機はどうしたんだって?家族に「邪魔」って理由で売られたよ。500円で。俺も同意の上で売ったよ。

おじいちゃんの形見なのにって?おじいちゃん齢90越えてるけどまだ生きてるよ。この前も一人ですき焼きの肉300gくらい食ってたから、あと10年は現役だよ。

 

俺の愛し、愛された3DO、そしてチキチキマシン猛レースを始めとするク…時代を駆け抜けたゲーム達を、読者の皆も、機会があれば是非遊んでみてほしい。

 

~余談~

チキチキマシン猛レースにはまさかの続編がある。
続編はレース部分は全てカットして、アドベンチャー運ゲーのみらしい。

変えてほしかったのはそこじゃないんだ……………。

著者・クッパ

 

 

あとがき

クッパさんお疲れ様でした。
僕は3DOの存在自体何となくでしか知らなかったので今回のコラムは非常に勉強になりました。
もし中古屋で3DOを見かけてもスルーするようにします。

林田藍助

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1件の返信

  1. あるの介 より:

    飲みの席でクッパからんからちょいちょい聞かせてもらってた逸話が、文に起こすとホントに酷くて困る(笑) 愉しませていただきました。

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